高速道路をより快適に、そして安価に利用するために「ETC」、そして2016年4月からは「ETC2.0」がスタートしました。しかし、それらを利用するには必ず、ETCカードの用意・ETC車載器のセットアップが必要です。
とは言え、カードや車載器を用意できたものの、忙しくてセットアップに行けない…と言った方もいることでしょう。そこで今回、ETC車載器のセットアップを他人に依頼できるか?そして依頼できた場合、どのように書けば良いのか等を紹介していきます。
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委任状をダウンロード
委任状の書き方を解説する前に、まずは肝心の委任状を入手しましょう。
委任状は、ETC総合情報ポータルサイト「GO!ETC」内にあります。URLを記載しますので、ページ下部にある委任状のファイルを開きダウンロードしましょう。
ただし、委任状は通常のETCと「2.0」のETC、2つ分かれていますので注意が必要です。もし間違えると、再び書き直しになります。自分がどのETCを利用するのか必ず確認し、ダウンロードしましょう。
※ページ下部に委任状のPDFをダンロードできるリンクがあります。
委任状の書き方
それでは、委任状の書き方は順を追って解説していきます。
注意点を説明した画像を添付するので、参考にご確認ください。
①:ダウンロードした委任状が「四輪車用」「セットアップするETC(通常か、2.0かを確認しましょう)」等、自分が申し込むもので間違っていないかを確認。
②:次に上段の「代理人」欄に「住所」「氏名」「連絡先」を記入しましょう。こちらは本人・代理人どちらが記入しても大丈夫です。
③:代理人欄が完了したら「委任者」欄に「住所」「氏名」「連絡先」を記入しましょう。こちらは必ず「本人」でなければいけません。
④:全ての記入が完了したら、不備や漏れがないかを確認し終了です。
委任状だからと言って難しい記入欄を用意しているわけではありません。手軽に記入できますので、委任状を記入する際は上記の手順に沿って書いていきましょう。
1点注意して頂きたいのは、当サイトで説明しているのは委任状の書き方は、「GO!ETC」でダウンロードした委任状のものです。
委任状は色々ありますので、よく用紙をみて、間違いがないように記載していきましょう。
そもそも委任状とは?
委任状とは、本人が代理人を通じてETCセットアップを依頼する際に必要な書類を指します。
なぜ、第三者にセットアップを依頼するには委任状が必要なのか?それは民法第99条第1項に定められているためです。
民法第99条第1項では、代理行為及び要件と効果について規定されています。ちなみに、この法律の中でETCセットアップの委任状は「任意代理(本人が代理人を選び権限を委任すること)」に当たります。
代理人は委任代理として、本人から権限を委任されますので本人と同じ効力を持ちます。しかし、本人と同じ効力を持っているため時に、本人に対し不利益な行為を行う可能性が出てきます。もちろん、不利益は例え代理人が行っても委任した本人の責任になるのです。
そうならないために、本人と代理人の間で権限と範囲を明確に決めなければいけません。つまり、どこまで権限を持たせるのか?どの範囲まで許されるのかを明確にしたものが、今回紹介しているETCセットアップの「委任状」となるのです。
この委任状があれば代理人に「セットアップのみ」という権限と範囲を明確にできますし、セットアップを行う店舗側も「言った・言わない」等のトラブルに巻き込まれず安心して作業が行えるのです。
したがって、ETC車載器のセットアップを代理人に依頼する場合は、必ず委任状が必要になるのです。これはETCセットアップに限らず、携帯電話の契約等、各種契約にも適用されます。
皆さんも、ETCセットアップを代理人に依頼する際は必ず、委任状に記載しましょう。
委任状さえあれば、ETCのセットアップは他人に依頼してもOK!
「仕事が忙しくレETCのセットアップに行けない…」
「自分でセットアップの手続きをするのが面倒…。他人にお願いできないの?」
ETCを利用するためには、ETC車載器の設置・ETCカードの作成だけでは利用できません。必ず「ETCセットアップ」を行ってから利用しませんと、高速道路のETCレーンを通過できません。
しかし、人によっては上記のように仕事で忙しい、手続きが面倒だから…等で自分でセットアップできない、または他人にお願いしたいという意見があると思います。「でもETCは自分で行わないといけないのでは?」そのようなことはございません。
実は、ETCのセットアップを他人にお願いすることができるのです。他人、例えば友人や知人、または新車ディーラーや中古車販売店の販売員にも依頼できます。もし他人に依頼する場合は必ず「委任状」の記入が必要です。
続いての項目では、他人にセットアップを依頼する際に必要な委任状について解説していきます。
インターネットショップで購入した場合も委任状が必要です!
現在、自動車用品店やETCセットアップを受け付ける店舗へ足を運ばなくとも、インターネット上でセットアップさせることができます。例えばネットショップでETC車載器を購入した際、同時にセットアップを申し込む場合があてはまります。
もしネットショップ上で、ETC車載器を購入し、なおかつセットアップを依頼するなら委任状が不可欠です。というのも、自分でセットアップを行うのではなく第三者、つまり店側に依頼するからです。
したがって、ネットショップでETC車載器を購入しセットアップまでお願いするなら、必ず委任状を記載しましょう。
委任状の書き方&用意するアイテム紹介
委任状以外に用意するアイテムは?
委任状の用意が完了しましたら、続いてはセットアップに必要なアイテムを用意しましょう。
セットアップ時に必要なアイテムは「車検証」「車載器本体」「代理人の身分が証明できる書類」の合計3点です。
ETC車載器のセットアップを行う際、車両情報を書き込まなければいけません。その際に必要なのが「車検証」です。もし車検証がありませんと、例え申込書や委任状を持っていても受け付けません。原本を持ってこれないようなら、車検証のコピーを代理人に渡しましょう。
次に車載器本体も必要です。セットアップ時に様々なデータを車載器に登録しなければいけません。購入した素の状態では残念ながらETCを利用することはできませんので、セットアップの際は一緒に持っていきましょう。
そして委任状欄の「代理人」に当たる方が、本当にこの人かどうかを判断するために、代理人と分かる身分証明書が必要です。運転免許証でも大丈夫ですし、健康保険証やパスポート等、他に身分を証明できるものでも大丈夫ですので必ず持っていきましょう。
上記3点を用意し、店舗へ訪問しましょう。
車用品店&ディーラー等で直接ETCのセットアップを行う場合
ここからは、代理人が直接店舗へ赴きETCのセットアップを行うときの書き方を紹介します。
①:「車検証(または車検証のコピー)」「車載器本体」「代理人の身分が証明できる書類」を持って店舗へ訪問しましょう。
②:セットアップの旨、そして本人ではなく代理人として来たことを担当者に告げ、申込用紙に記入しましょう。
③:申込用紙は代理人が記入します。もちろん、代理として依頼した本人の名前等も代筆しましょう。
④:書類に不備や漏れがなければ、後はセットアップが完了するまで待ちましょう。
セットアップが完了すれば、これにて代理人によるETCセットアップは終了です。
ネットショップで代理人にETCのセットアップを依頼する
次にネットショップでETC車載器の購入~セットアップまで依頼する場合を紹介していきます。
①:ネットショップ上でETC車載器の購入と含め、セットアップの項目にサインしましょう。
②:購入後、ネットショップよりセットアップについて案内のメールが届きますので必ず確認しましょう。
③:セットアップのために「車検証のコピー」「申込書」「委任状」「本人確認書類(運転免許証・健康保険証等)のコピー」を、郵送・FAX、またはメールに添付して送付しましょう。
④:ネットショップ上で必要書類と入金確認後、セットアップ作業へ入ります。店舗側からセットアップ完了&配送手続き完了のメールが来れば、後は届くのを待つだけです。
⑤:届いたETC車載器がセットアップされているかを確認し、問題なければ完了です。
このように、委任状があればネットショップで本人ではなく代理人に購入~セットアップまで依頼することができます。
委任状が必要ないネットショップもあるの?
ネットショップによっては、委任状の代わりになるものを用意すれば委任状を、わざわざ用意・記入する必要がなく代理人にセットアップを依頼できます。例えば、ノジマ電機が運営する「ノジマオンライン」が挙げられます。
こちらの店舗では、ETC車載器を購入すると同時にセットアップを依頼できます。その際、車検証のコピーと委任状が必要です。ですが、委任状の代わりに「運転免許証」のコピーを用意し、一緒にメールへ添付することで委任状無しでも依頼できます。
ノジマオンラインに限らず、店舗によっては委任状の代わりとなる書類で受け付けていることがありますので、委任状の記入が億劫と感じたら探してみてはいかがでしょうか。
委任状は家族でも必要?それとも不要?
「夫は仕事で忙しいから、妻である私がETCのセットアップに行きます」
上記のように、ETCのセットアップを車の所有者ではなく家族の誰かに依頼することもあるでしょう。もし家族であれば、委任状は必要ありません。ETCセットアップに必要なアイテムと、家族と証明できる身分証明書さえあれば大丈夫です。
ただし、親戚や東遠にあたる方ですと家族と認められない可能性が高まりますので、万一のことを考え委任状を用意しておきましょう。
法人名義でも委任状は必要?
法人名義でETC車載器のセットアップを行う場合、社長、または担当者本人が直接行けば委任状は不要です。しかし、代理人を立てる場合は委任状が必要不可欠です。
その場合、先ほど紹介した委任状の代理人欄は代理人の氏名や住所を記入。委任者欄は法人名と委任者本人の氏名・住所等を記入し、印鑑(ゴム印可)を氏名欄脇に押しましょう。
「法人名義で車両を購入したけど、購入店舗がセットアップ登録店ではなかった…。この場合はどうすれば良いの?」
上記の場合でも委任状があればセットアップできます。ただし、購入店舗が「代理としてETCのセットアップを行います」と言えばです。この場合、委任者が記載する項目は委任者欄のみで、代理人欄は購入店舗の方が記入します。後は、購入店舗がETCセットアップ登録店に持ち込み、登録すれば完了です。
このように、法人名義でも委任状があればETCセットアップを代理人を通して行うことができます。
委任状に関するQ&Aコーナー
複数台の車両のセットアップ時、台数に応じて書類が必要?
もし複数台の車両のセットアップを依頼する場合、委任状を何枚も用意する必要はありません。委任状は1枚で大丈夫です。ただし、委任状の空きスペースに必ず「対象車両は別紙添付」と記入し、申込む車両のリスト(車検証等、車両番号がわかるもの)を一緒に添付しましょう。
二輪車でも委任状は必要?
二輪車のセットアップ時も、委任状は必要不可欠です。ただし、自動車の時と仕組みが異なります。
・二輪車を代理人を立ててセットアップする際は「実車」が必要。
・家族でも必ず委任状を持っていかなければいけません。
代理人を立てて二輪車のセットアップを行う際、例え家族であっても、本人の個人情報と代理人の個人情報がETC登録事務局へ登録されます。そのため、例え家族であっても個人情報の登録に承諾しなければいけませんので、委任状が必要になるのです。
自動車と二輪車の仕組みが少々異なりますので注意しましょう。
まとめ
最後になりますが、ETC車載器のセットアップは本人がいなくとも、代理人を立て委任状を用意すれば可能です。これなら、例え本人が忙しくてセットアップできなくとも、代理人が代わりに行いますので非常に便利と言えます。
ただし、必要なアイテム、そして書類不備がありますとセットアップ不可ですので、代理人に依頼する前にチェックを怠らないようにしましょう。